氏家 楓(うじいえ かえで)
「真似る」と「盗む」
From:氏家 楓(株式会社 歯科専門 集患アウトソーシング)
「真似る」と「盗む」
似ているようで、全く異なるものですが、この違いはなんだと思いますか?
真似る・・・他のものに似せてする。模倣する。見習う。
盗む・・・ひそかに他人のものを取って自分のものにする。
他人の技・芸や考えなどをひそかに、また無断でまねる。
(※コトバンクより)
仕事を覚える際、『先輩の仕事を見て覚えて』と言われたことがある方は少なくないと思います。
(マニュアルやスタッフ教育が整っている職場では、ないのかもしれませんが^^;)
なんとも投げやりにも感じる言葉ですが、単純に「見て、覚える」ことでいいのでしょうか?
先輩の仕事を見て、新人スタッフ全員が同じように仕事を覚えられるか、というのはかなり難しいと思います。そもそも見習いたいと思われるような、先輩の教え方・仕事ぶりなのかということも大事なのですが…まずは仕事を覚える側の、新人スタッフの「何を、どこを見るのか」という視点が重要です。
先輩が行なっている作業を1から10まで真似をしてみるのか、「効率的に動くポイント」「スタッフや患者様への声掛けの仕方」など+αまで観察して取り入れてみるのか。
人それぞれ、見る視点は違いますよね。
では、新人スタッフはどのように「見て覚えて」いるのでしょうか?
ただボーっとその仕事ぶりや、作業の流れをみているだけになっているかもしれません。
細かく指示しなくても、すべてこちらの意図を汲み取って行動してくれる、スーパースタッフなのかもしれません。
すべての手順を、メモ帳にぎっしり書き込んで頭に叩き込むよう必死に頑張っているけれど、頭の中はパンク状態かもしれません。
書くより、目で見て覚えて、自分で考えて行動するタイプかもしれません。
どんな覚え方、何を見ているのかは、よく観察したり話してみないと分かりませんよね。
そこで、「先輩の仕事を見て覚えてほしい」を、まず、こう言い換えてみてはどうでしょうか?
『先輩の「行動」と、その「考え方」も覚えてほしい』
「師を見るな、師が見ているものを見よ」
内田樹さんという方の著書で、紹介されているこの言葉。技芸の伝承の際に伝えられるそうです。弟子が師を見て技芸を模倣するのでは、「今の自分のレベル」で解釈したものでしかありません。
そうではなく、師の技芸を通して「師が目指しているもの」「師の視点」を理解することが出来て、初めて継承されていくのです。
自分が目標とする人や見習いたいと思う人が出来た時、まずすること。
その人の表面的な行動ではなく、その行動をとる「目的や理由」にフォーカスしてみること。
行動を真似るだけでなく、その人の考え方を想像してみてください。
その人の行動の意図をつかむようにすると、「学ぶ」につながっていきます。
そして、自分の考え方や行動に落とし込まれていき、自分のスキル・指針となっていきます。
自分の行動が、その人の「真似をする」だけで終わるのか。
真似したことを「自分のものにする(=盗む)」ことができるのか。
先輩の行動の理由を、想像してみましょう!
ただ・・・
教える側教えられる側、どちらにも言えることですが、「想像力を働かせてみる」というのは、自分が今もっている考え方だけではうまくいかないかもしれません。
それを補うための『読書』は、様々な知識や考え方を知るためにとても有効です。
ですが、本が苦手だったり、「そんな時間はない!」と多忙だったりする方は、「理由を想像してみる」だけでも、違ってきますよ。
私もよく反省するのですが、自分には理解できない行動をとられると、「自分の考え方が正しい!」「あの人のこと理解できない!」と、相手をシャットアウトしてしまうことがあるんですよね。
また、「この人はこういう人だから」「またわけのわからないことをして・・・」と、スルーしてしまうとか。
こうして、自分の中で思考を完結・停止してしまうと、自分にはない考え方を知るチャンスを失ってしまいます。
(しかも、こういうことは意外に覚えていて、後々「あ、あの時、もしかしてあの人こう思っていたのかも・・・」と気が付くこともあるのです)
「なんで、この人はこの行動をとるんだろう?」
見習いたい人、反対に、理解できない人に出会ったとき、様々な角度で理由を想像してみてください。周りの人に意見をもらうのもいいかもしれません。とにかく、自分の中にない考え方をシャットアウトしたりスルーしたりせず、理由を想像してみるトレーニングを実践してみてください。
あなたの視点を少し変えるだけで、大きく変わってくるかもしれません。
PROFILE
氏家 楓(うじいえ かえで)
株式会社 歯科専門 集患アウトソーシング
マーケティング部門 セールスライター
首都大学東京(旧:東京都立大学) 卒業後、大手マーケティング会社にて10年間セールスライターとして活躍。
自らがライティングしたセールスレターが社内における売上レコード(3日間のキャンペーンで2,600万円)を達成した実績を持つ。
当時勤めていたマーケティング会社のセールスライター育成講座の講師をしていた際に、受講生だった渥美社長と知り合う。
セミナーの休憩中にもオンラインセミナーを受講する渥美社長のストイックな姿勢に尊敬の念を抱き、懇親会で意気投合。
渥美社長が独立すると同時に、株式会社 歯科専門 集患アウトソーシングに入社。
トップページのライティングをしたクライアントの新患増加率は平均で 163%(月間最多新患数 344名) 。
また、矯正無料相談では1ヶ月間で 176名 の来院を達成した。
その実績から、
「歯科業界最高のセールスライター」
との呼び声が高い。
趣味は、海釣りとプロレス観戦。