マネジメント


From:原 浩恭(株式会社 歯科専門 集患アウトソーシング)


5/1
親から1,000円貰う。
残高1,000円。

5/2
お菓子を買うために110円払う。
残高890円。

5/10
マンガを買うために550円払う。
残高340円。

残った340円を握りしめて今月末までうまい棒を買いながら生きていく。

このようにしてお金を管理していくのがお小遣い帳です。最大の特徴は、お小遣い帳に書かれている残高と実際の手元金額が必ず一致することです。

あーなるほどね。親から貰ったお金が売上で、お菓子やマンガを買ったりするのが経費みたいなもので損益計算書と同じ…ではないというのが今日の内容です。

歯科医院を開業されていれば、税理士事務所が試算表などを作成し数字の説明をしてくれていると思います。

歯科医院であろうが何であろうが損益の計算は次のように行います。

収益−費用=利益

この利益の額は増えたお金の量ではありません。利益が3,000万円となっていても3,000万円手元のお金が増えたわけではないのです。

知ってる!知ってる!税金でしょ。

そうです。税金もあります。

仮に利益の30%の税金を納めなければならないとすると、税金を差し引いた後のお金は、

3,000万円−900万円=2,100万円

となります。

では2,100万円の車なら現金で買ってもいいか?というと、あれ?増えた2,100万円どこにあるの?という感じになると思います。

話をわかりやすくするために今日1日の損益計算書を考えてみましょう。

物を仕入れて売る仕事です。


Aさんから物を60円で仕入れました。お金は明日Aさんに払います。


朝仕入れた物をその日の内にBさんに80円で売ることができました。お金は明日Bさんから貰います。

今日の損益計算書です。

収益 80円
費用 60円
利益 20円

このようになります。利益20円となっていますがお金は1円も増えていません。お小遣い帳であれば何も書くことがない一日になります。

会計上(税務上)、収益(益金)や費用(損金)に計上しなければならないタイミングはお金の動きと切り離されています。お金を払うタイミングや貰うタイミングで収益や費用を計上するわけではないということを覚えておいていただければと思います。

ちなみに、翌日何も仕入れたり売ったりしなければ翌日の損益計算書は、

収益 0円
費用 0円
利益 0円

となります。しかし80円貰って60円を払うので20円お金が増えます。

このズレの他にも、減価償却費や借入金の元金返済などにより利益の額と増えたお金の量はさらにズレていきます。

売上や利益を注視することは大切ですが、私たちが何のために働くかといえば(医療人としてや社会のためなどは置いておいて)お金を稼ぐためですので、しっかりと現預金の残高の動きを確認していくことが最も大切なことになります。

これらは損益計算書をいくら眺めてもわかりません。税理士事務所へ「毎月のお金の増減をわかりやすく説明してほしい」「キャッシュフロー計算書までとは言わないけどそれに近い形の表か何か作れない?」とリクエストするのがいいでしょう。

今月入ってきたお金は何と何と何で、今月出ていったお金は何と何と何。これがわかるだけでも経営の良し悪しはもっとハッキリとしてきます。

歯科医院のお金の流れを追いかけてみてください。

A.P.O.managerでは歯科医院の収益を見える化し、収益向上に直結するポイントを数字で明らかにしていきます。ここで大切なのは、その明らかになった数字をどう読むか、その数字をどう捉えるかどう扱うかはその数字に接する人次第ということです。私たちコンサルタントは日頃から多くの歯科医院の数字に接し、最短最速で最大の効果があがるポイントを研究しています。もしあなたの歯科医院の収益がよくわからない理由で上がっている下がっているのであれば、その理由はA.P.O.managerを使うことで明らかになるでしょう。





原 浩恭(はら ひろやす)

株式会社 歯科専門 集患アウトソーシング
コンサルティング部門 医業収入アップコンサルタント

明治大学卒業。

歯科医院を数多く顧問に持つ税理士法人2社に在籍後、株式会社歯科専門集患アウトソーシングに入社。

前職では歯科医院専門担当者として年間医業収入が2億円を超える歯科医院を数多く担当し、歯科医院が成長していく過程を熟知している。

得意分野はA.P.O.manager(経営数値管理ソフト)を使ったデータ分析。課題を把握して確実に成果を狙っていく。

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