マネジメント


ここ数年の投資ブームで投資を始めた方も多いと思います。みなさんはどのような理由で投資を始めましたか?「預金の利息では増えないから…」「友達がやっていて儲かっているから…」など、理由はさまざまだと思いますが、根本的には将来に備えるため(蓄えを持つため)に行っていることに違いはないと思います。

しかしながら、将来に備えるのであれば貯蓄でも十分なはずです。貯蓄は減ることがないため続ければ必ず増えていきます。それなのに、なぜ投資をするのでしょうか?そのお金は貯蓄に回すべきお金ですか?それとも、投資に回すべきお金なのでしょうか?

貯蓄と投資をどのように使い分けるべきか。今日は貯蓄と投資の違い、そして歯科医院経営において貯蓄と投資をどう考えるべきかを簡単に説明していきます。

まずは、貯蓄と投資の性質を見ていきましょう。

貯蓄:元本が減らず、安全だが、ほとんど増えない。
投資:元本が減る可能性があるが、増える可能性もある。

この性質を持つ貯蓄と投資について、目的によって使い分けてみます。

たとえば、子どもの大学進学費用を準備するとしましょう。10年後に500万円が必要です。貯蓄であれば、毎月4.2万円ずつ貯めていけば必ず500万円を準備できます。

42,000円 × 120ヶ月 = 5,040,000円

次に、投資ではどうでしょうか。毎月4.2万円を投資に回しても、その投資対象が10年後に必ず500万円以上になっているとは限りません。

ここで考えるべきは、10年後に確実に500万円がないと困る、という点です。このように、必要な時期や金額が決まっており、確実に用意しなければならない資金は、貯蓄など安全性の高い手段で準備すべきだとわかります。

では、5年後に車を買い換えようと考えている場合はどうでしょうか。車種が特に決まっておらず、何でも良いという場合、投資で準備するのも良い方法かもしれません。毎月10万円ずつ投資対象へ投資していけば、

100,000円 × 60ヶ月 = 6,000,000円?

もしかしたら、車のオプション1つ分くらいの運用益が出ているかもしれませんし、550万円になっていても、その金額で買える車にすれば良いわけですから困ることはありません。

このように、貯蓄と投資は目的に応じて使い分けることで、上手なお金の使い方につながりそうです。

これは歯科医院経営においても同じです。

収益が増加し、余剰資金が生まれます。必要な支出を行った後に残る余剰資金をどのように扱うかは非常に重要な経営判断です。

1. そのまま普通預金口座に残しておく

歯科医院を経営していると、納税や夏や冬の賞与など年に数回の大きな出費があります。そのような出費に備えるために、平常月の余剰資金を上手に活用します。また、数年後に設備投資を計画している場合も、そのタイミングに合わせて余剰資金を貯めておく必要があります。年間の支出計画や想定される設備投資額から逆算して、毎月の余剰資金の使い方を計算していくと良いでしょう。

2. 投資

ここでの投資とは、株や債券ではなく歯科医院自体への投資を指します。支出に備えて準備をしたあとに残る資金は、歯科医院自体に投資を行い長期的に回収していきます。

歯科医院自体への投資は元本割れを起こす可能性は少なく、無計画な投資をしなければ、基本的には利益が出るビジネスモデルです。特にスタッフへの投資は歯科医院経営において重要なポイントになります。研修等を通じてスタッフにどれだけ投資できているかが、その歯科医院の長期的な底力につながります。

年間の支出を計算した後も余剰資金がある場合は、それを浪費するのではなく、投資に回すことで長期的に安定する歯科医院経営を行っていきましょう。

A.P.O.managerでは歯科医院の収益を見える化し、収益向上に直結するポイントを数字で明らかにしていきます。ここで大切なのは、その明らかになった数字をどう読むか、その数字をどう捉えるかどう扱うかはその数字に接する人次第ということです。

私たちコンサルタントは日頃から多くの歯科医院の数字に接し、最短最速で最大の効果があがるポイントを研究しています。

もしあなたの歯科医院の収益がよくわからない理由で上がっている下がっているのであれば、その理由はA.P.O.managerを使うことで明らかになるでしょう。



原 浩恭(はら ひろやす)

株式会社 歯科専門 集患アウトソーシング
コンサルティング部門 医業収入アップコンサルタント

明治大学卒業。

歯科医院を数多く顧問に持つ税理士法人2社に在籍後、株式会社歯科専門集患アウトソーシングに入社。

前職では歯科医院専門担当者として年間医業収入が2億円を超える歯科医院を数多く担当し、歯科医院が成長していく過程を熟知している。

得意分野はA.P.O.manager(経営数値管理ソフト)を使ったデータ分析。課題を把握して確実に成果を狙っていく。

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