原 浩恭(はら ひろやす)
Endowed Progress Effectを活用した歯周病治療中の患者の脱落防止策
From:原 浩恭(株式会社 歯科専門 集患アウトソーシング)
多くの歯科医院のA.P.O.managerのデータを見ていると、歯周病治療中の患者の脱落をいかに防いでいくかが、すべての歯科医院に共通の大きなテーマであることがわかります。
歯周病は進行がゆっくりで自覚症状が少ないため、患者が治療の必要性を実感しにくい病気です。そのため、歯周基本治療中やSPTへ移行する段階で通院をやめてしまうケースが多く、これは歯科医院にとって大きな課題となっています。
患者の脱落を防ぐには、単に治療の必要性を説明するだけでなく、治療の進捗を実感してもらい、患者の継続意欲を高めることが重要です。
そこで活用できるのが、Endowed Progress Effectです。
Endowed Progress Effectとは?
Endowed Progress Effectとは、最初から進捗があるように見せることで、ゴール達成へのモチベーションを高める心理効果です。人は何かの目標に向かって「進んでいる」と感じると、それを達成しようとする意欲が高まる傾向があります。
例えば、カフェのポイントカードで「10回の来店で1杯無料」という制度があるとします。
Aのカード:10マス中0マスが埋まっている状態
Bのカード:12マス中2マスが最初から埋まっている状態
実際の達成条件はどちらも10回ですが、Bのカードの方が継続されやすいという研究結果があります。これは、最初から「すでに進んでいる」と感じることで、達成へのモチベーションが高まるからです。
歯周病治療での具体的な活用方法
歯周病治療でもこのEndowed Progress Effectを応用することで、患者のモチベーションを高め、継続率を向上させることが可能です。
1、治療が進んでいることを伝える
治療の進捗を患者に具体的に示すことで、継続の意欲を高めます。
前回の治療内容:スケーリングを実施しました。
今回の治療内容:歯周ポケットの状態を改善する処置を行いました。
次回の予定:再評価を行い、さらに安定させるための処置を計画します。
このように、検査結果や口腔内写真を活用し、治療した部分や改善点を可視化することが大切です。
2、ゴールまでの道筋を示す
「あと〇回の治療で状態が安定しそうですよ」と、ゴールまでの残りのステップを視覚的に示すことで達成への意欲を高めます。
3、最初から「進捗」を感じてもらう
初診時に、「すでに治療の第一歩を踏み出しています」と伝え、進捗があることを実感してもらいます。
初回検査の結果を「治療計画の第一歩」と位置付けます。
4、患者自身に「自分で進めている」感覚をもってもらう
患者が治療に積極的に関わることでモチベーションが向上します。
自宅でのセルフケアも治療の一環とし、「おうちでのケアも頑張ってくれているおかげでお口の状態が改善しています」とフィードバックしていきます。
「今日から〇〇を実践すれば、さらに改善が期待できますよ!」と具体的なアドバイスを提供するのもいいでしょう。
まとめ
歯周病治療において患者の脱落を防ぐには、治療の進捗を実感してもらい、継続意欲を高めることが不可欠です。
Endowed Progress Effectを活用し、「すでに進んでいる」と感じてもらうことで患者のモチベーションを引き出せます。
・進捗の可視化
・ステップごとの達成感の提供
・ゴールへの道筋の明確化
これらを積極的に取り入れ、患者が歯周病治療をすすんで継続する環境を整えましょう。
A.P.O.managerでは歯科医院の収益を見える化し、収益向上に直結するポイントを数字で明らかにしていきます。
ここで大切なのは、その明らかになった数字をどう読むか、その数字をどう捉えるかどう扱うかはその数字に接する人次第ということです。
私たちコンサルタントは日頃から多くの歯科医院の数字に接し、最短最速で最大の効果があがるポイントを研究しています。
もしあなたの歯科医院の収益がよくわからない理由で上がっている下がっているのであれば、その理由はA.P.O.managerを使うことで明らかになるでしょう。

PROFILE
原 浩恭(はら ひろやす)
株式会社 歯科専門 集患アウトソーシング
コンサルティング部門 医業収入アップコンサルタント
明治大学卒業。
歯科医院を数多く顧問に持つ税理士法人2社に在籍後、株式会社歯科専門集患アウトソーシングに入社。
前職では歯科医院専門担当者として年間医業収入が2億円を超える歯科医院を数多く担当し、歯科医院が成長していく過程を熟知している。
得意分野はA.P.O.manager(経営数値管理ソフト)を使ったデータ分析。課題を把握して確実に成果を狙っていく。