マーケティング


From:松本 真由美(株式会社 歯科専門 集患アウトソーシング)

前回の記事では、効率的・効果的なセールスライティングを書くための型として、AIDAの法則についてお話ししました。

セールスライティングにおいては、他にも様々な文章の型があり、その時々によって最適な型を選択することが重要です。

今回はそんな文章の型のひとつであるQUESTの法則についてお話しします。

同業他社との違いを強力にアピールできる文章型「QUESTの法則」とは

他にはマネのできない商品・サービスを持っているなど、強力な差別化ポイントを持っている場合に選択すべきなのが「QUESTの法則」です。

「QUEST」とは、この文章の型を構成する以下の頭文字からとられています。

Qualify(ターゲティング)
Understand(理解・共感)
Education(教育)
Stimulate(興奮)
Transition(変化)

この法則がいかに差別化ポイントを効果的にアピールできる型であるか、その型の構造を説明する中でお話ししていきます。

Qualify(ターゲティング)

ここでいうターゲティングとは見込み客のセグメントを絞ることではなく、見込み客に「約束できる」事柄を絞るという意味で使われます。

ここで自社が持つ独自の強みをアピールすることになります。

同業他社にはマネのできない強力な差別化ポイントを、顧客に与える価値として約束することで、文章の冒頭から見込み客の心理を強く惹き付けるのです。

Understand(理解・共感)

QUESTの法則で用いられるUnderstandという言葉は、「理解」より「共感」という意味合いを持つものとして捉えられています。

Qualifyで見込み客に与える価値を強く約束した後で、その人の抱える悩みや望みに対して共感を示すパートです。

このパートは、できるだけ事実に基づいたストーリーを織り交ぜるなどして、詳細に記述しなければなりません。

文章を書くあなた自身も、かつて見込み客と同じ問題を抱えていた当事者であることがリアルに示されれば、このパートの説得力は格段に向上します。

Education(教育)

「では、どのようにその問題を解決すべきなのか」それを見込み客に教え導くのがこのEducationのパートです。

その問題の根本的原因は何なのか、なぜ同業他社の商品・サービスではその原因を取り除くことができないのか、そして、なぜあなたの商品・サービスでは問題解決が可能なのか、それを客観的に伝えていきます。

このパートでは、公の資料などの定量的な証明資料や、その分野で権威のある専門家の意見などを引用し、あなたの提供する価値が最も優れていることを見込み客に教えなければなりません。

Stimulate(興奮)

ここまでのパートをそれぞれの趣旨に沿って書くことができたなら、そしてあなたの商品・サービスが本当に他では得ることのできない価値を提供するものであるならば、Educationの時点で見込み客の購買意欲は高まっているはずです。

しかし、人が購買という行動に移すにはまだ不十分です。

購買行動というハードルを越えさせるための更なるひと押しとして重要なのが、このStimulateのパートです。

あなたの商品・サービスによって見込み客の人生がより良い方向へ変化する、そういった未来を記述して意欲を更に刺激します。

Transition(変化)

そして、見込み客の購買意欲を充分に高めたところでクロージングであるTransitionのパートへ移ります。

クロージングについて、詳しくは以前の記事:
なぜあなたの文章では売れないのか?見込み客を逃さないクロージングの3つのコツ

に譲りますが、このTransitionのパートでは他の副次的なベネフィットやオファーについて触れ、「買わない理由がない」と感じさせるまで最後のダメ押しをしなければなりません。

人がモノを買う時には、感情が先に動き、後から合理的な理由をつけて購買という行動を正当化します。

このTransitionは、まさにその正当化するための理由を見込み客に与えることが大きな役割です。

以上、今回はQUESTの法則についてご紹介いたしました。

冒頭でも述べたように、この型は強力な差別化ポイントを持っている場合に有効に働きます。

他にはマネのできないアイディア、商品力、ブランドといった優位なポジションを既に持っている場合には、是非使うことを検討していただきたい型です。


三鬼 明香(みき あすか)

株式会社 歯科専門 集患アウトソーシング
マネジメント部門 マネジャー
歯科衛生士

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