三鬼 明香(みき あすか)
集患のためのエモーショナルライティング
From:松本 真由美(株式会社 歯科専門 集患アウトソーシング)
前回、前々回の記事では、人の「2つの思考」についてお話しました。
本稿では、システム1、つまり人の情緒的な思考を惹き付けるための文章についてより深く掘り下げた「エモーショナルライティング」についてお話をしたいと思います。
エモーショナルライティングは情緒を惹きつける
エモーショナルライティングにおいては、患者の来院行動につながる感情を刺激することが重要です。
歯科治療によるメリットを伝えても感情を動かすことができなければ医院へ誘導することはできません。
「頭では分かっているけど気が乗らない、、、」
というような経験は誰しもがあるはずです。
集患を考えるにあたっては、治療による機能的なメリットだけでなく、読む人の情緒に触れる言葉を伝えなければいけません。
ストーリーが患者を惹き付ける
では、どのような文章なら読む人の情緒に触れることができるのでしょうか?
感情を揺り動かすために必要なのは、書いてあることを自分の事のように捉えさせる“自分事化”です。
そのために、文章の中でストーリーをつくることはとても有効な手段となります。
同じような悩みや問題を抱えた人物、問題を放置してしまったためにネガティブな状況に置かれてしまった人物、かつて問題を抱えていたけれどもそれを解決させ自身の人生をより良いものに変えることができた人物等、読む人が自分を重ねられるような人物を登場させることが重要です。
その登場人物に自分を重ねながら文章を読ませるようなストーリーは、強い共感を生み、自分事化を促すことができます。
ポジティブな感情とネガティブな感情
読む人のどういう感情を刺激するべきか、文章で伝えたいサービスによって大きく変わります。
しかし、セールスライターのダン・ケネディが「糖尿病や肥満予防などの“予防”のセールスライティングにおいては、脅しのようなネガティブな文章は使うべきではない。」と主張しているように、歯科におけるセールスライティングにおいては、徒に読む人を脅すような内容を書くべきではありません。
治療を受けないことによるデメリットなどはしっかり伝える必要がありますが、それを過大に誇張してしまうことは、来院行動を起こさせるポジティブな感情を壊してしまいます。
ネガティブな文章を構成の中のひとつの部分として入れることは、効果を生むこともありますが、その表現には充分に慎重にならなければいけません。
少なくとも、ネガティブな内容だけで終わるのではなく、最終的にはポジティブな感情を引き出させるような文章構成を練ることが、来院に結び付く感情を刺激するために大切なことになります。
PROFILE
三鬼 明香(みき あすか)
株式会社 歯科専門 集患アウトソーシング
マネジメント部門 マネジャー
歯科衛生士