原 浩恭(はら ひろやす)
営業は「売り込み」じゃない!自費治療の成約率を上げる「会話の設計」とは?
From:原 浩恭(株式会社 歯科専門 集患アウトソーシング)
「この治療は保険外ですが、〇〇というメリットがあります」
「〇万円かかりますが、長期的なお口の健康を考えるとお勧めです」
このように説明しても、なかなか自費治療を選んでもらえない。そんな経験はありませんか?
もしかしたら、その理由は「説明不足」や「説明の仕方」にあるのではなく「会話の設計」を間違えているからかもしれません。
営業のプロである青木毅氏は「営業とは、売り込むことではなく、お客様の課題を見つけ解決する、お役立ち」だと語っています。
これはまさに、歯科医院における自費カウンセリングの本質とも言えるでしょう。
1、成約率は「会話の流れ」でコントロールできる
自費治療に興味を持つ患者様の多くは、「話を聞いてみたい」という気持ちで来院しています。
そして、その気持ちの奥には、次のような迷いを抱えていることが少なくありません。
- 自費治療の価値が自分にとって本当にあるのか?
- 価格に見合う効果が得られるのか?
- 他の患者さんはどうしているのか?
このような状況で大切なのは、いきなり自費治療の内容や素材について説明を始めることではありません。
まず、患者様に質問することです。
「なぜこの治療が気になったのですか?」
「どんなことを気にされていますか?」
「もし理想的な状態になったとしたら、どんな生活になりますか?」
こうした問いかけを通じて、患者様の頭の中を整理していくのです。
このプロセスを経ずに自費治療の話を始めても、それはただの「売り込み」になってしまい、成約率を上げるのは難しいです。
2、成約率を「確率」として捉えると、医院経営が変わる
仮に、あなたの医院で自費治療のカウンセリングを10件行ったとします。そのうち何件が契約に至るでしょうか?
もし1件なら成約率は10%。しかし、質問や共感のプロセスを丁寧に行えば、30%になるかもしれません。
このわずか20ポイントの差が、月間売上では何十万円、年間では数百万円という大きな違いを生み出す可能性があります。
自費治療のカウンセリングは、感覚的に行う営業ではなく、設計を間違えなければ成果があがる、患者様のお困りごとの解決、お役立ちなのです。
3、話し上手より「聞き上手なスタッフ」を育てる
営業において重要なのは、話し上手であるかどうかよりも、相手の気持ちを聞きにいくことだと言われます。
何に困っているのか、そのお困りごとを解決しに行くのが営業の本質です。
歯科医院でも同じです。
話し上手であることはもちろん素晴らしいのですが、それ以上に、患者様の気持ちに共感し、寄り添い、患者様の課題を整理し解決できるスタッフの方が、自費成約率を高めます。
「どんなふうになりたいですか?」
「そのお悩みは、いつ頃から気になっていましたか?」
といった問いかけを通じて、患者様と一緒に考える姿勢が求められます。
4、自費カウンセリングは「売る」ものじゃない、「決まる流れ」を設計するもの
自費治療のカウンセリングは、単なる営業ではなく、まさに対話設計の仕事です。
患者様は思った通りにしか行動しません。
「思い」→「考え」→「行動」の順で人は行動します。
行動の前には必ず考えがあり、考えの前にはそのように考えるに至った思いがあります。
「思い」を聞き出し
「課題」を整理し
「解決策」を一緒に考える
そこまでをクリアにできた時に、患者様は行動します。
この順序を大切にすれば、価格はネックではなく、納得感へと変わります。そしてそれは、医院経営における「確率のコントロール」でもあるのです。
患者様の「思い」に寄り添い、最適な「対話」を設計することで、自費治療を通じて、より多くの患者様の笑顔と、医院の安定的な成長を実現できるはずです。
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PROFILE
原 浩恭(はら ひろやす)
株式会社 歯科専門 集患アウトソーシング
コンサルティング部門 医業収入アップコンサルタント
明治大学卒業。
歯科医院を数多く顧問に持つ税理士法人2社に在籍後、株式会社歯科専門集患アウトソーシングに入社。
前職では歯科医院専門担当者として年間医業収入が2億円を超える歯科医院を数多く担当し、歯科医院が成長していく過程を熟知している。
得意分野はA.P.O.manager(経営数値管理ソフト)を使ったデータ分析。課題を把握して確実に成果を狙っていく。