渥美 貴浩(あつみ たかひろ)
スタッフが辞めるのは採用時点で決まっている。
From:渥美貴浩(株式会社 歯科専門 集患アウトソーシング)
10年ほど前から、歯科業界でも採用の課題が年々増えています。
「新しいスタッフを採用したのに短期間で辞めてしまう。」
もしくは、
「期待していた働きをしてくれない。」
そんなケースが多く見受けられます。
この背景には、「採用時点のミスマッチ」が原因として挙げられることが少なくありません。
採用は「仕事を売る」プロセス
実は採用活動は、商品を売るプロセスと似ています。
良いスタッフを採用するには、クリニックの仕事や環境を「魅力的にマーケティング」し、応募者にとって「この職場で働きたい」と思わせる仕組みが必要です。
しかし、ここで重要なのは誇大広告を避け、仕事内容や期待値を正確に伝えること。
これができていないと、応募者の期待を裏切り、短期間で辞める結果を招いてしまいます。
ミスマッチの原因
多くの場合、採用前に「どんな仕事をしてもらいたいか」が明確になっていないことが、ミスマッチの根本的な原因です。
たとえば、業務量が増えたからと漠然と「人が足りない」と感じ、人材を採用しようとする。
しかし、具体的な業務内容やスキル要件を整理していないため、応募してきた人材も曖昧な期待感で働き始め、結果的に「こんな仕事だとは思わなかった」と不満を抱えて辞めてしまうのです。
ミスマッチを防ぐ方法
ミスマッチを防ぐためには、以下のポイントを押さえることが大切です。
1. 業務の明確化
自社の仕事を細分化し、どの業務が不足しているかを分析しましょう。
たとえば、「受付業務を担当する人が足りない」「採用活動ができる人材が必要」と具体的に定義することが重要です。
2. 採用メッセージの明確化
応募者に向けて伝える仕事内容や期待するスキルを具体的に記載します。
「やりがいのある職場」や「成長できる環境」といった曖昧な表現ではなく、実際に担当する業務や求める成果を明示することがポイントです。
3. リサーチとペルソナ設計
理想的な応募者像(ペルソナ)を設定し、その人材が求める職場環境や魅力を徹底的にリサーチ。
これに基づいて採用プロセスをデザインしましょう。
雇用後も重要な「明確な役割」
採用後、スタッフが辞めないためには、雇用時に明確化した業務内容を一貫して提示し、サポートすることが大切です。
「これをやってほしい」という期待が曖昧だと、雇う側も雇われる側もストレスがたまり、結果的に離職につながります。
「スタッフが辞めるかどうかは採用時点で決まっている」と言っても過言ではありません。
理想的な採用を実現するためには、クリニック内の業務を明確化し、採用メッセージを的確に伝える。
そして、入社後もその期待値を共有し続ける。この一連のプロセスを磨き上げることで、スタッフの定着率を大きく改善できます。
「採用の質」が「スタッフの定着率」を左右することを、ぜひ再確認してみてください。
PROFILE
渥美 貴浩(あつみ たかひろ)
株式会社 歯科専門 集患アウトソーシング
代表取締役社長
医業収入2億円以上の歯科医院向けにマーケティングとマネジメントをアウトソーシングする「株式会社 歯科専門 集患アウトソーシング」を経営。
令和5年11月 現在。
クライアントの平均医業収入は3億2千8百万円。
1歯科医院での1ヶ月の新患数300名オーバーの実績を持つ。
また、1歯科医院での1ヶ月間のインビザライン無料相談176件獲得、全クライアント合計での1ヶ月間のインビザライン無料相談1,100件以上獲得など、自由診療マーケティングでも数多くの結果を出してきた。
スタッフ80名、医業収入9億円規模の大型歯科医院の元事務長。