川上 裕也(かわかみ ゆうや)
1on1面談を「愚痴聞き」で終わらせない。スタッフを「課題解決の当事者」にする。
From:川上 裕也(株式会社 歯科専門 集患アウトソーシング)
スタッフの『報告・連絡・相談』のレベルが下がる要因
コンサルティングで医院にお邪魔をした際、必ずスタッフ様一人ひとりと向き合う「1on1面談」を実施します。
現場の意見や本音を聴き、「現場感」「実態のある情報」を得ないと取り組みを指示しても機能しないことがままあるからです。
しかし、スタッフ様と面談中をしていると、もどかしさを感じることがあります。
「患者様が不満を持っているみたいです」
「みんなで話し合った意見です。」
こうした発言に対して、
「具体的にはそれは誰が言っていましたか?具体的な内容は?」
「それは誰のことでしょう?」
と聞き返さなければならない場面によく遭遇します。
実は、この「主語の欠落」部分が、1on1の質だったり、ひいては医院全体のホウレンソウ(報告・連絡・相談)の質を下げてしまう最大の要因なのだと思います。
なぜ、主語が消えてしまうのか?
私はお陰様で長くコンサルティングに関わらせていただいているクライアントが多いので、スタッフ様とも良い関係が作れていて比較的リラックスした1on1面談の場になります。
そうすると、スタッフ様が自然と現在の医院の課題などをお話してくださるのですが、その際「主語」があいまいな問題提起をしてくることがあります。
このような場合、スタッフ様が主語を曖昧にする背景には、大きく2つの理由があります。
- 自分の頭にある考え・感情・景色は他の人も同じ用に共有しているはずだと思って話をしている。
- 「誰か」を特定すると角が立つ、あるいは「自分の意見」として責任を負いたくない、と考えている。「みんな」という大きな主語に逃げてしまう。
しかし、経営判断をする立場からすると、主語のない情報はただの「ノイズ」になります。
事実関係が曖昧なままでは、経営者は正しい判断ができないし、対策も考えられません。結局はその場しのぎの解決で終わってしまいます
「誰が?」を問うことで、スタッフを「当事者」に
こういう状況のときにはスタッフ様に主語をはっきりしてもらうように促します。
もちろん角が立たないように配慮はして、決してスタッフを追い詰めるようにはしません。
むしろ、業務改善のチャンスだから協力して解決しよう、という話にします。
まず「誰が」を特定すること。
そして、正確な情報の確認、さらに院長や他のスタッフからの意見・視点なども確認して、はじめて問題が立体的な「事実」となり、解決の糸口を考えるフェーズに入っていきます。
「患者A様が、待ち時間に不満を漏らした」
- 事実の確認
- 患者A様は正確にはどう言っていたか?
- スタッフの誰が、正確にはどう返答し、対応したか?
- 具体的な接遇の改善へ
「Bさんが、業務量に負担・不満を感じている」
- 具体的に来Bさんはどう言っていたのか?
- どの業務に負担があるのか?
- 1番時間がかかっている業務は何?
- 実際Bさんの業務の棚卸しをしてみる
- 他スタッフとの比較してみて実際に多いのか?
- 適切な人員配置、業務の割り振り再考へ
主語を入れたコミュニケーションを習慣に
主語を明確にする報告・連絡の習慣がつけば、スタッフも観察力が上がって情報の精度が上がります。
1on1の場が単なる「愚痴の聞き役」から「課題解決の場」にすることできれば生産的な時間になります。
明日からのスタッフとの1on1や日常のコミュニケーションでも、主語がない報告を受けたときは、ぜひこう伝えてみてください。
「〇〇さんの意見を大切にしたい。これは業務改善のチャンスでもあるから、それは具体的に『誰』が言っていたことか教えてくれるかな?」
主語を明確にするコミュニケーションは、スタッフの中に「自分の言葉に責任を持つ」という意識を与えるきっかけにもなります。
そして、スタッフを意見や批判を言うだけの「批評家」ではなく、一緒に問題解決をする「当事者」になってもらう良いチャンスにしましょう。
PROFILE
川上 裕也(かわかみ ゆうや)
株式会社 歯科専門 集患アウトソーシング
コンサルティング部門 医業収入アップ シニアコンサルタント
北九州市立大学卒業後、4つの会計事務所で約20年間、経営者の良きパートナーとして200件以上のクライアントを担当。
3件目の会計事務所で、弊社代表である渥美がGMを務める大型歯科医院の担当者となる。
当初、医業収入2億円規模だった歯科医院を、担当していた3年間で5億円以上に成長させる過程に携わった。
今までに関わった歯科医院からは、マーケティングとマネジメントを駆使して「院長個人とクリニックにお金が残るようになった!」「自信を持って経営判断を下せるようになった!」「業績が一気に回復した!」・・・などの絶大な信頼を獲得。
全国のクリニックから寄せられる経営相談に応え、東奔西走している。
趣味は、バスケットボール。
