渥美 貴浩(あつみ たかひろ)
週休3日制を選択したことを後悔するタイミング。
From:渥美 貴浩(株式会社 歯科専門 集患アウトソーシング)
先日、どこかの大手企業が週休3日制を導入するというニュースを見かけた。
その場にいた殆どのコメンテーターは、
「働きやすい環境になって、とても良い取り組みだと思います!」
「従業員想いの素晴らしい制度ですね!」
「これでプライベートも更に充実できますね!」
とコメントしていた。
このコメントを聞いて、私は、
「日本はこういう流れで大丈夫なのかな。。。」
と思った。
その時、元陸上選手の為末大さんだけは、他のコメンテーターとは違うコメントをしていた。
「これは恐ろしいことですよ。働く日数が減る分、社会人としての成長の責任が自分自身になるということですからね。例えば、週休3日制で自分で成長の努力ができない人は10年後、20年後、週休2日制で頑張ってきた人ととんでもない差が出ますからね。サラリーマンでも更に格差が広がりますよ」
このコメントを聞いて私も同意した。
世の中の風潮は、相当なハイスピードで緩い方向に向かっている。
これで本当に大丈夫なのか?
若いうちからプライベート最優先で大丈夫なのか?
これで将来大丈夫なのか?
ここ10年くらいの日本の風潮を見ていてよく思う。
今までクライアント先の面接のサポートも含めたら数千人は書類選考と面接をしてきたけど、若い頃にしっかりと仕事をしてこなかった人は書類選考の段階ですぐに分かる。
当たり前だけど、若いうちに怠けていた人は即戦力として採用できない。
企業側からすると、即戦力として採用できないのであれば、安くて若い人材を雇用する。
このことに気づいた時には相当遅い。
30代でたくさんの面接をしていた当時の私は、自分よりも年上の40歳以上の方を面接するのが辛かった。
そのことを知っているので、これからの若者のことが私はとても心配だ。
経営者の仕事とは何か?
よく考えてみて欲しい。
経営者の仕事とは部下を成長させる事である。
それはつまり、
「部下に新しいチャレンジをする機会を与えること」
に他ならない。
人間は誰だって快適な方がいい。
仕事はストレスが無い方が良い。
休みは多い方が良い。
だから、放っておくと快適な仕事のやり方を見つけて、そのステージに留まるようになる。
そうするとどうなるだろうか?
成長はピタリと止まる。
怖いのは、自分の成長は止まっているが、学校の同級生や同僚は成長していて、気がついたら自分だけが取り残されていることだ。
だからこそ、経営者の仕事は部下をその快適な状態から引っ張り出してあげることだ。
今までやった事のない仕事をやらせる。
自分の力量より大きな仕事をやらせる。
これが経営者の仕事だ。
もしかしたら部下には嫌がられるかもしれない。
しかし、部下を成長させるのは、いつも優しくて物分かりのいい経営者とは限らない。
厳しくてうるさい経営者の方がはるかに部下を成長させる。
短期的には部下に嫌われるかもしれない。
しかし、長期的に見て、部下が自分の快適ゾーンにいるままで本当にいいのか?という事を考えてほしい。
彼ら彼女らが年を取って、40,50になった時、市場に出て、まったくの戦力外になっている。。。
そんな状況にして本当にいいのか?
ということを考えてほしい。
もし親が自分の子供を育てる時、甘やかしてばかりで叱らずにいたらどうなるか?
厳しい状況や辛い体験をせずにのんびりと育ったらどうなるか?
親の本当の愛情は、子供に好かれようとする事ではなく、子供に厳しいことを要求して、将来の競争社会で生き抜いていく「力」をつけさせることではないか?
自立して自分の力で生活できるように「力」をつけさせることではないだろうか?
忘れないようにしよう。
部下の基準は経営者が作る。
経営者が与えるチャレンジの分だけ部下は成長するし、経営者が与える仕事の基準が、その後の部下の人生でも仕事の基準になってしまう。
若い頃に低い基準を教わってしまった人は、30代40代でも低い基準を持っていて、どこに行ってもなかなか戦力として機能しない。
果たしてこれが優しいといえるか?
40代とかになってみないと分からないかもしれないけど、私の同級生を見ても、楽な20代、30代を過ごした同級生は40代になってから後悔していることが本当に多い。
40代で1からスタートし直すのは難しい。
だからこそ、会社という枠の外に出て、市場に出たとき、周りの連中を見て「楽勝だな」と思えるくらいに育ててあげないといけない。
経営者の仕事は、部下にチャレンジする機会を与えて上げること。
そこに尽きる。
PROFILE
渥美 貴浩(あつみ たかひろ)
株式会社 歯科専門 集患アウトソーシング
代表取締役社長
医業収入2億円以上の歯科医院向けにマーケティングとマネジメントをアウトソーシングする「株式会社 歯科専門 集患アウトソーシング」を経営。
令和5年11月 現在。
クライアントの平均医業収入は3億2千8百万円。
1歯科医院での1ヶ月の新患数300名オーバーの実績を持つ。
また、1歯科医院での1ヶ月間のインビザライン無料相談176件獲得、全クライアント合計での1ヶ月間のインビザライン無料相談1,100件以上獲得など、自由診療マーケティングでも数多くの結果を出してきた。
スタッフ80名、医業収入9億円規模の大型歯科医院の元事務長。