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From:松本 真由美(株式会社 歯科専門 集患アウトソーシング)

患者さんを継続的な受診に導くためには、彼らが歯科医院に何を求め、何を不安に感じるのかという心の内(患者インサイト)を知らなければいけません。

歯科医院の競争が激化している昨今では、目に見える疾患にアプローチするだけでなく、目に見えない患者さんのニーズを汲み取ることが求められます。

では、その目に見えない患者インサイトをどのように知ることができるでしょうか?

患者インサイトの調査には、セールスライティングで使うリサーチ手法が有用です。

今回は、セールスライティングにおけるリサーチをどのように患者インサイトの把握に応用するのかお話ししたいと思います。


患者インサイトの把握によって患者さんとの持続的な関係を構築

患者インサイトという言葉に確たる定義づけはされていませんが、私はこの言葉を「患者さんが医院に求めるもの」と理解しています。

患者インサイトの把握によって、患者さんにとっての真の満足とは何かを理解することができ、その充足のための情報提供やコミュニケーションを行うことで、患者さんと持続的な関係を築くということが患者インサイト把握による大きな効用だと言えます。


セールスライティングの手法で行う患者インサイト調査


ライティングにおいて、文章を書くことよりも重要なことがあります。

それは、徹底的なリサーチです。

なぜなら、リサーチが十分に行われずに書かれた文章は、すぐに見抜かれるからです。

リサーチは文章を書くための材料集めであり、土台作りです。

意外なことかもしれませんが、セールスライティングでは、文章を書く時間よりも多くの時間がリサーチに費やされます。

普段ライターが行っているリサーチの手法から、患者インサイトの把握に有用なものをいくつかご紹介します。



1. アンケートの実施

患者さん、又は地域住民の方へのアンケートというのは、最も一般的な手法です。

外部の調査会社やコンサルタントへ依頼することもできますが、自院へ実際に来院された患者さんへのアンケート調査はGoogleフォームなどの無料ツールを活用して手軽に行うことができます。

ただ、アンケートによる調査には、質問の仕方や解答欄の配置が誘導的であったり、取り繕った回答が返ってくるなどのバイアスがかかることもあります。

そのため、アンケートによる患者インサイトの把握には限界があることをしっかり認識した上で行うことが重要です。



2. エスノグラフィー

社会学などの実験調査で用いられるのがこのエスノグラフィーです。

調査対象と生活を共にし、文化理解を深めるという手法ですが、患者インサイトの把握においては、患者さんを疑似体験してみるというものになります。

患者さんとしての目線で受付から診療、会計までの診療サービスを一通り体験することで新たなニーズが見つかる可能性があります。また、意識できていなかった医院の改善点や、気づきが得られるはずです。


3.ソーシャル・リサーチ

Twitterや口コミサイト、Q&Aサイトなどから歯に関する疾患を持っている方やその家族の投稿を拾い上げ、そこから共通する傾向を探し出す手法です。

アンケート調査のようなバイアスのかかりにくい、患者さんの本心を把握することができます。その中で、患者さんが医院に対して抱く期待や不安といった患者インサイトを知ることができます。



以上、患者インサイトに使えるセールスライティングのリサーチ手法についてお話しいたしました。

患者さんの主体的な受診行動を促すには、患者さんが何を求めていて、何に不安を感じているのかを知らなければいけません。

日々の診療の中でも、患者インサイトの一端を知ることはできますが、徹底的に調査を行いたいのでしたら、これらの手法を試してみるのもいいかもしれません。


三鬼 明香(みき あすか)

株式会社 歯科専門 集患アウトソーシング
マネジメント部門 マネジャー
歯科衛生士

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