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From:松本 真由美(株式会社 歯科専門 集患アウトソーシング)

前回は、コンテンツSEOの王道はブログであること、そして読む人に“自分事化”してもらうテーマ選びの重要性をご説明しました。

「ここには私の悩みの解決策が書かれている。」と見込み患者に思わせることができれば、それがキラーコンテンツとなり、集患のための財産となります。

テーマが決まれば、あとは文章の構成作りです。
イチから構成を考える必要はありません。
ブログの書き方、文章の書き方には決まった“型”があります。
テーマをその型に当てはめるだけで、見込み患者を飽きさせずに最後まで読ませる文章を書くことができます。

今回は文章の型のひとつ、「CREMA(クレマ)の法則」についてご説明します。

読む人の行動を促す「CREMA(クレマ)の法則」

CREMAとは、

・Conclusion(結論)
・Reason(理由)
・Evidence(証拠)
・Method(手段)
・Action(行動)

という5つのフレームで記述する文章構成の方法です。

まず、最初に結論を持ってくることで「この記事で何を言いたいのか」という核心部分を真っ先に読者に伝えます。続けて、その理由と疑いようのない証拠を突き付けることで結論の説得力を増幅させ、最後に問題解決のための手段を提示し、現実の行動へと促すという文章構成です。

来院するという行動変容を促す文章を書きたいのであれば、このCREMA以上にうってつけの型はありません。

CREMAの構成要素

1.Conclusion(結論)
記事を最後まで読んでもらえるかどうかは、この最初のCに全てがかかっています。
記事の良しあしを左右するこのCをどのように書くべきでしょうか。

一般的な常識を否定するような、意外性の高い結論を書くべきです。これまで信じてきたこと、常識だと思っていたことを打ち破る結論が冒頭に書かれている記事は、多くの見込み患者の関心を集めることができます。

歯科医療従事者でない限り、見込み患者のほとんどは口腔内についての誤解を多かれ少なかれ持っているはずです。なかには一般的に広く知られ、非専門家の中で常識として信じられている誤解もあることでしょう。

そのように、“間違っているのに世間では常識としてまかり通っていること”の否定を真っ先に結論として持ってくることは、見込み患者の心をつかむ上で非常に有効です。
  

2.Reason(理由)
  なぜ冒頭の結論のようになるのか、その理由を書くフレームです。Cで書かれた意外な結論を見込み患者に納得させるための1歩目になります。

3.Evidence(証拠)
  Reasonに科学の権威付けをして見込患者を納得させるフレームがこのEvidenceです。
上のReasonで「本当に結論のとおりなのかも、、、」と思い始めている見込み患者に客観性のある証拠(大学や医療機関の研究報告、写真・グラフ資料など)を提示し、この記事の説得力を上げる段階です。
このEvidenceをReasonと混同してしまい書き分けができていないということに陥りがちです。
Reazonでは執筆者個人の所見や考え方を書き、Evidenceでは他者の評価や所見、研究結果などの客観的情報を書くべきです。そうすることで、冒頭の結論を2段階で根拠づけることができます。

4.Method(手段)
  冒頭に結論を上げ、自分の意見と他者の意見とでその説得力を増したところで、いよいよ問題解決のための手段を教えるフレームです。
歯科で検索する見込み患者は、当然のことですが、何らかの問題や悩みを抱えてホームページを訪れています。
  その悩みを解決する手段にはどういったものがあるのか、各手段のメリット・デメリットは何か等、箇条書きでも構いませんので、出来る限り詳細に提示しましょう。
  5のAction(行動)への移行率を大きく高めることができます。

5.Action(行動)
  そして最後に締めくくるのは見込患者の来院を促すフレームです。
  自院であればこのような治療を行える、このようにしてあなたの問題を解決できると読む人にオファーする文章でブログを終えます。文章の工夫だけでなく、ブログの最下部にWEB予約ボタンや電話番号などを配置することで、行動へ移りやすい環境を整えてあげることも重要です。

”枠”を上手に使うことの重要性

以上、「CREMAの法則」についてご説明しました。
何か物事を新しく始めるときは、先人たちが作った型や発明品がないかを探してから始めるべきです。
「車輪の再発明」という言葉があります。これは車輪のように既に発明されているものをわざわざイチから発明しなおすという意味で、先人の知恵や既存のものを上手く活用できない非効率な行いを揶揄する言葉です。

文章術での“車輪”は今回紹介したような文章の型がそれに当てはまります。先人たちの発明品である型をうまく組み合わせることで、苦しむことなく魅力的な文章をつくることができるのです。


三鬼 明香(みき あすか)

株式会社 歯科専門 集患アウトソーシング
マネジメント部門 マネジャー
歯科衛生士

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