渥美 貴浩(あつみ たかひろ)
お金がないことで失うもの。
From:渥美貴浩(株式会社 歯科専門 集患アウトソーシング)
先日、私の父親が24時間の介護を必要とする状態になり、介護施設への入所を検討することになりました。
その際に提示された費用を見て、私は経営者として、そして一人の人間として、改めて強い危機感を持ちました。
施設にかかる費用は、月額30万円から50万円ほど。
年間で考えると、360万円から600万円です。
仮に10年続けば、3,600万円から6,000万円という金額になります。
これは、決して他人事ではありません。
今の高齢者世代は、年金や預貯金、持ち家などによって、何とか対応できるケースもあるかもしれません。
しかし、私たち以降の世代はどうでしょうか。
年金は今よりも厳しくなる可能性があります。
社会保険料や税金の負担は重くなっています。
物価も上がっています。
その中で、私たちは親の介護を支えながら、自分自身の老後資金も準備しなければなりません。
これは、かなり厳しい現実です。
この話を若い世代にすると、こう思う人もいるかもしれません。
「先のことは分からない」
「今から老後の心配をしても仕方がない」
「その頃には制度が変わっているかもしれない」
「今の生活や自由な時間の方が大事だ」
その気持ちはよく分かります。
未来のことは誰にも分かりません。
自分が何歳まで生きるかも分かりません。
親の介護がいつ必要になるかも分かりません。
国の制度も変わるかもしれません。
しかし、私は逆だと思います。
先のことが分からないからこそ、準備が必要なのです。
分からない未来に対して、何も準備しないまま進むことの方が、よほど危険だと思います。
最近は「ワークライフバランス」という言葉がよく使われます。
もちろん、仕事だけが人生ではありません。
健康も大切です。
家族や友人との時間も大切です。
趣味や休息も大切です。
自分らしく生きる時間も大切です。
私も、ワークライフバランスそのものを否定するつもりはまったくありません。
ただし、ここで考えなければならないことがあります。
目先の楽さや居心地の良さだけを優先して、所得を上げる努力、スキルアップ、資産形成、将来設計をしないまま年齢を重ねた場合、その先に何が待っているのか、ということです。
お金がない老後は、すぐに命に関わるわけではないかもしれません。
日本には公的な支援制度もあります。
最低限の生活を守る仕組みもあります。
しかし、お金がないことで失うものがあります。
それは、人生の選択肢です。
住む場所を選べなくなる。
入りたい施設を選べなくなる。
受けたい医療や介護を選べなくなる。
周囲に迷惑をかけたくなくても、頼らざるを得なくなる。
体力的に厳しくても、生活のために働き続けなければならなくなる。
つまり、老後資金とは、単なる貯金ではありません。
将来の自由を守るためのお金です。
自分の尊厳を守るためのお金です。
家族に過度な負担をかけないためのお金です。
若い時に自由な時間を大切にすることは、決して悪いことではありません。
ただし、所得を上げる努力や資産形成をしないまま、今だけの自由を優先し続けると、将来の自由が大きく制限される可能性があります。
私は、若い世代を脅したいわけでも、責めたいわけでもありません。
むしろ、今の若い世代は、私たちが若かった頃よりも厳しい社会を生きていると思います。
税金や社会保険料の負担は重く、物価も上がり、将来の年金にも過度な期待はしにくい。
だからこそ、早く現実を知った人から、少しずつ準備を始めるべきだと思うのです。
所得を上げる。
スキルを磨く。
自分の市場価値を高める。
少額からでも資産形成を始める。
親の介護について家族で話しておく。
自分の老後に必要なお金を考える。
これらは、今の人生を犠牲にするための行動ではありません。
将来の自分と家族の選択肢を守るための行動です。
会社という場所も、単に毎月の給料をもらうだけの場所ではないと思います。
日々の仕事を通じて、自分の市場価値を高める。
どこでも通用するスキルを磨く。
成果を出す力を身につける。
所得を上げる力を養う。
そういう意味では、仕事は将来の自由を作るための重要な手段でもあります。
本当のワークライフバランスとは、今だけを楽に生きることではないと思います。
今の生活を大切にしながら、親の介護、自分の老後、家族の将来まで見据えて、働き方、生き方、お金の使い方を考えること。
それが、これからの時代に必要な本当のワークライフバランスではないでしょうか。
「先のことは分からない」から考えないのではなく、
「先のことは分からない」からこそ、準備しておく。
親の介護費用というリアルな数字を目の当たりにして、私は改めてそう感じました。
老後資金とは、将来の贅沢のためだけに必要なお金ではありません。
最後まで自分の人生を自分で選ぶためのお金です。
そして、自分と家族の自由と尊厳を守るためのお金なのだと思います。
PROFILE
渥美 貴浩(あつみ たかひろ)
株式会社 歯科専門 集患アウトソーシング
代表取締役社長
医業収入2億円以上の歯科医院向けにマーケティングとマネジメントをアウトソーシングする「株式会社 歯科専門 集患アウトソーシング」を経営。
令和5年11月 現在。
クライアントの平均医業収入は3億2千8百万円。
1歯科医院での1ヶ月の新患数300名オーバーの実績を持つ。
また、1歯科医院での1ヶ月間のインビザライン無料相談176件獲得、全クライアント合計での1ヶ月間のインビザライン無料相談1,100件以上獲得など、自由診療マーケティングでも数多くの結果を出してきた。
スタッフ80名、医業収入9億円規模の大型歯科医院の元事務長。
