マーケティング


From:松本 真由美(株式会社 歯科専門 集患アウトソーシング)

前回の記事では、人間の脳には「システム1」と「システム2」という2つの思考があるという説をご紹介し、それがどのようにセールスライティングと関わりがあるのかについてご説明しました。

「システム1」は直感的で素早い判断、「システム2」は論理的で慎重な判断に用いられる思考で、セールスライティングにおいてはそのどちらの思考にも訴えかける文章が必要とされます。

本稿では、まず2つの思考の内、「システム1」に対して訴求する文章がどのようなものか解説していきたいと思います。

システム1に働きかける文章のポイント

ポイント1 文章のリズム感に配慮する

人は文章を読む際、内容よりも先に文章が読みやすいものかどうかという点に直感的な意識が向けられます。

例えば、改行がなく行間が詰められていて、1センテンスが長い文章を目にすると、読むハードルが一気に上がってしまいます。

改行や行間、句読点や感嘆符は文章にリズムを与えるものです。

音程に起伏がなく単調な音楽を聴くのに忍耐を要するように、リズムのない文章を書くことは相手の脳に負担をかける行為です。

宣伝を行う対象やターゲット、媒体などによって適切な文章のリズムも変えなければなりませんが、改行や句読点をできる限り有効に使うことの重要性は全ての文章に共通します。

文章に心地よいリズム感を与えるためには、無駄な言葉を省き1センテンスを短くすること、句読点や感嘆符の正しい使い方を学び適切に使用すること、この2つが重要です。

ポイント2 箇条書きで情報を整理する

文章の要点をまとめ、箇条書きに整理することもシステム1に働きかけるためのテクニックです。

「~~や○○、そして××や□□」のように並列の物事について言及する場合には、これを箇条書きに直した方が良い場合があります。

読み人にとって、抑えるべきポイントがはっきり直感的に分かり、心理的負担を大きく下げることができます。

ポイント3 感情表現によって共感を与える

物事を直感的に判断するシステム1は、感情的な表現によっても惹き付けることができます。

冒頭のストーリー部分で書き手の感情を会話文で用いるなどの手法により、その内容が読み手の状況と似通っている場合には自分事のようにその文章を捉えることができます。

そのため、感情表現を入れるのであれば、なるべく冒頭に入れた方がその文章のフックが強くなります。

注意すべき点としては、感情表現があまりに過ぎるとアクの強い文章となってしまうおそれもあるので、他の文章との調和や読み手との距離感を意識して用いなければなりません。

直感的に「読み進めよう」と思わせる文章

以上、システム1に働きかけるための文章をどのように書くべきかポイントを絞ってお伝えしました。

次回は、もう一方の論理的な思考「システム2」を惹き付けるための文章をいかに書くべきかご説明します。


三鬼 明香(みき あすか)

株式会社 歯科専門 集患アウトソーシング
マネジメント部門 マネジャー
歯科衛生士

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