マネジメント


From:原 浩恭(株式会社 歯科専門 集患アウトソーシング)

「歯科衛生士を募集しているけど、まったく応募がない」

「求人サイトを見るたびに他の医院の給与が上がっている」

実際、歯科衛生士の採用環境は厳しくなっています。

「昔は25万円も出せば応募があったのに」

そう感じている院長先生も多いです。

新しく採用する歯科衛生士だけ給与を上げるわけにはいきません。

既存スタッフとの給与バランスも考える必要があり、この問題はとても厄介です。

周囲の医院が月給30万円で歯科衛生士を募集しているとします。

それに対して、多くの院長先生は、

「30万円も払ったら採算が合わない」

と考えます。

この考えは間違っていません。

単純に給与だけを引き上げれば、医院の利益は減少します。

では、どうするべきか。

ここで、先生に考えていただきたいことがあります。

本当に問題なのは「月給30万円が高すぎること」なのでしょうか。

私は「“院長先生の診療収益から”歯科衛生士の給与を払っていること」が、大きな問題だと考えています。

歯科衛生士を採用しても、診療補助に入り、空いた時間にスケーリングを行う。

予約が空けば院長先生が患者を探し、メンテ患者が少なければ歯科衛生士は手待ちになる。

そんな医院は少なくありません。

この状態では、歯科衛生士の給与を大きく上げることは難しくなります。

なぜなら、歯科衛生士自身によって生み出される収益が設計されていないからです。

一方で、歯科衛生士が担当患者を持ち、自分自身の予約列を管理している医院では状況が変わります。

歯科衛生士の専門性そのものが、医院の収益へとつながるようになるからです。

例えば、45分の歯科衛生士枠で1日9人、月20日診療すれば、月間180人の患者に対応できます。

適切な長期継続管理が行われる体制を構築できれば、歯科衛生士1人が生み出す収益は大きく変わります。

すると、

「歯科衛生士の給与をいくらに抑えるか」

という発想から、

「優秀な歯科衛生士を採用・定着させられる給与水準を、どのような診療体制なら実現できるか」

という発想へ変わっていきます。

採用力は、求人を出す前に決まっています。

歯科衛生士の採用競争が激しくなればなるほど、

「歯科衛生士が働くことで十分な収益を生み出せる医院」



「院長先生の診療収益から歯科衛生士の給与を払っている医院」

との差は大きくなっていきます。

これは、単なる採用の問題ではなく、歯科医院の経営構造そのものの問題です。

歯科衛生士の給与水準が上がっていること自体を、私は必ずしも悪いことだとは考えていません。

歯科衛生士が専門職として能力を発揮し、患者を担当し、長期間口腔内を管理する。

その結果として医院の収益にも貢献し、給与を受け取る。

これが本来あるべき姿だと考えています。

そのためには、

・歯科衛生士が対応する患者をどのように増やすのか
・次回予約をどこで取得するのか
・長期継続管理へどう移行させるのか
・キャンセル・中断患者をどう管理するのか
・歯科衛生士1名あたり何人の患者を担当するのか
・毎月どのような点数を算定するのか

こうした仕組みを、医院全体で設計する必要があります。

「あぁ、それね、全部知ってるよ」

そうです。すべて特別なことではありません。

最大の関門は、学ぶことにはなく、学んだことをクリニックに落とし込んでいくことにあります。

私たちが行っているのは採用支援ではありません。

コンサルティングで提案するのは、

「求人給与を上げましょう」

「求人サイトを変えましょう」

ということではなく、歯科衛生士が専門性を発揮しながら、医院の収益にも貢献できる診療体制そのものの構築と、その実行です。

「歯科衛生士を採用できる医院」ではなく、「歯科衛生士に選ばれ続けるだけの給与を支払える医院」

を院長先生とともにつくっていきます。

歯科衛生士の求人給与を見て、

「もう、この金額にはついていけない」

と感じているのであれば、

求人票を見直す前に、一度、自院の収益構造を確認してみてください。

歯科衛生士の給与は最低賃金で決まるわけではありません。

しかし、社会全体の賃金水準が上がれば、歯科衛生士の給与相場も確実に引き上げられます。

2026年度の最低賃金は、全国加重平均で1,177円になりました(前年度比+56円)。

参考:日本経済新聞社説
最低賃金の引き上げへ生産性向上を急げ
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODK084V70Y6A900C2000000/

国が目標とする全国平均は、「遅くとも2030年代前半のできる限り早期に、1,500円」です。

今のやり方の先には今と同じ困難しかありません。

給与水準は上がっていくので、今のままではその困難は度合いを増していくでしょう。

隣の医院が動く前に、始めてください。

A.P.O.managerでは歯科医院の収益を見える化し、収益向上に直結するポイントを数字で明らかにしていきます。

ここで大切なのは、その明らかになった数字をどう読むか、その数字をどう捉えるかどう扱うかはその数字に接する人次第ということです。

私たちコンサルタントは日頃から多くの歯科医院の数字に接し、最短最速で最大の効果があがるポイントを研究しています。

もしあなたの歯科医院の収益がよくわからない理由で上がっている下がっているのであれば、その理由はA.P.O.managerを使うことで明らかになるでしょう。



原 浩恭(はら ひろやす)

株式会社 歯科専門 集患アウトソーシング
コンサルティング部門 医業収入アップ シニアコンサルタント

明治大学卒業。

歯科医院を数多く顧問に持つ税理士法人2社に在籍後、株式会社歯科専門集患アウトソーシングに入社。

前職では歯科医院専門担当者として年間医業収入が2億円を超える歯科医院を数多く担当し、歯科医院が成長していく過程を熟知している。

得意分野はA.P.O.manager(経営数値管理ソフト)を使ったデータ分析。課題を把握して確実に成果を狙っていく。

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