マネジメント


From:原 浩恭(株式会社 歯科専門 集患アウトソーシング)

⻭科医院を経営していく中で、「これは経費(コスト)なのか、それとも投資なのか」と考える習慣は⾮常に重要です。

⽇々の診療に追われていると、どうしても⽬先の数字、つまり今⽉の売上や利益に意識が向きがちになります。

「今⽉の利益はしっかり残っただろうか」

「この⽀払いはもっと削れるのではないか」

もちろん、経営者としてその感覚は間違いではありません。しかし、医院経営は短距離⾛ではなく、⼗数年、あるいは数⼗年と続く「⻑期戦」です。

私が多くの先⽣とお話しする中で違和感を感じたのは、⽇々の材料代や技⼯料といった「⽬に⾒える⽀出」と、スタッフ教育やマーケティングといった「⽬に⾒えない⽀出」を、同じコストとして⼀括りに捉えてしまっているケースが少なくないという点です。

確かに、お⾦が出ていくという事実は同じです。しかし、その性質は根本的に異なります。

材料代や技⼯料は、いわば今⽇の診療を成⽴させるために必要不可⽋な⽀払いです。診療を⾏えば発⽣する、売上と対になった⽀出と⾔えます。

⼀⽅で、⻭科衛⽣⼠への教育、採⽤、マーケティング、そしてコンサルティングなどへの⽀払いはどうでしょうか。

これらは、⽀払った翌⽇に売上が倍増するような即効性があるものとは限りません。むしろ短期的には利益を圧迫している重荷に⾒えることすらあるでしょう。

しかし、これらは単なる「消えていく経費」ではありません。数年後の「未来の売上」を創り出すための種まき、つまり「投資」なのです。

例えば、⻭科衛⽣⼠の教育を考えてみてください。

教育に⼒を⼊れている医院では、⻭科衛⽣⼠⼀⼈ひとりの説明の質が上がり、患者様の納得感が⾼まります。

その結果、SPTの継続率は安定し、キャンセルは減り、次回予約の取得率も⾃然と向上していきます。

「ただ処置として⻭⽯を取る」だけの関係ではなく、患者様⾃⾝が「⾃分の⼝を守るために、ここへ通い続けなければならない」と理解してくださるようになるのです。

すると、P列の管理は安定し、医院の売上基盤はより強固なものになっていきます。

逆に、ここへの投資を惜しめばどうなるでしょうか。

スタッフごとに説明内容がばらつき、SPTの価値が患者様へ⼗分に伝わらず、予約離脱が常態化します。

結果として、「常に新患を追い続けなければ売上を維持できない」という、⾮常に苦しく、疲弊しやすい経営に陥ってしまいます。

これはマーケティングについても同じです。

ホームページのリニューアルや改修、SEO、MEO、SNSでの発信。

これらはすぐに成果が⾒えにくいものですが、数年単位で継続している医院とそうでない医院では「新患数」や「採⽤⼒」において、取り返しのつかないほどの差が⽣まれます。

特に現在は、患者様も求職者も、まずAIや検索を通して医院のことを確認する時代です。

どれだけ優れた技術を持っていても、その魅⼒が外側に伝わっていなければ「存在していない」のと同じになってしまいます。

コンサルティングもまた、未来への投資です。

現在の⻭科医院経営は、診療報酬改定への対応、⼈材不⾜、物価⾼騰、Web集患競争の激化など、かつてないほど複雑化しています。

院⻑先⽣がプレイヤーとして診療の最前線に⽴ちながら、それらすべてを⼀⼈で分析し、正解を導き出すことは容易ではありません。

だからこそ、外部の客観的な視点が必要になります。

内部にいると「当たり前」になって⾒落としてしまう問題点「なぜSPTが伸び悩んでいるのか」「なぜ採⽤が決まらないのか」といった課題を整理し、⼀つずつ改善していく。

その積み重ねこそが、数年後の医院の姿を⼤きく変える原動⼒になるのです。

事実、着実に成⻑し続けている歯科医院ほど、投資を⽌めません。

歯科衛生士の教育、採⽤、マーケティング、そしてマネジメント。短期的な利益だけを追えば、「削れるもの」は数多くあるでしょう。

しかし、投資を⽌めた瞬間から、未来の売上は少しずつ、そして確実に失われていきます。

医院経営において本当に問われるのは、「今⽉いくら利益が残ったか」だけではありません。

5年後、10年後も地域から信頼され、優秀なスタッフが集まり、安定して患者様が来院してくださる医院であり続けられるかどうか。

その未来を創るのは、⽬先の節約ではなく、今ここで⾏う「未来への投資」に他ならないのです。

私は税理⼠法⼈勤務時代から、この点を重視して院⻑先⽣へお話ししてまいりました。

もし今、先⽣の医院の経営が厳しいのであれば、それは過去の先⽣ご⾃⾝が、未来への投資を⼗分に⾏えていなかった結果なのかもしれません。

だからこそ、今が厳しい時期であったとしても、未来の⾃分のために「今できること」を真剣に考えていただきたいのです。

⾼級時計を買っても、⾼級⾞を買っても、⼈⽣が劇的に豊かになることはありません。

しかし、もし「頑張っているのに苦しい経営」から「利益がしっかり残る経営」へ変わるとしたらどうでしょう。

想像してみてください。経営に余裕が⽣まれ、素晴らしいスタッフに恵まれ、家族との時間や⼦供の学費、さらには⽼後まで⾒通せる安⼼感を持ちながら過ごせるようになった日々を。

この未来を実現できるのだとしたら、それは⾮常に⼤きな価値ではないでしょうか。

未来への投資は決して⼩さくない⾦額だからこそ、⾃分の⼈⽣にとって⼀番いい形で使うべきです。

適切な投資が、必ず未来の院⻑先⽣を助けてくれる。私はそう信じています。

A.P.O.managerでは歯科医院の収益を見える化し、収益向上に直結するポイントを数字で明らかにしていきます。

ここで大切なのは、その明らかになった数字をどう読むか、その数字をどう捉えるかどう扱うかはその数字に接する人次第ということです。

私たちコンサルタントは日頃から多くの歯科医院の数字に接し、最短最速で最大の効果があがるポイントを研究しています。

もしあなたの歯科医院の収益がよくわからない理由で上がっている下がっているのであれば、その理由はA.P.O.managerを使うことで明らかになるでしょう。



原 浩恭(はら ひろやす)

株式会社 歯科専門 集患アウトソーシング
コンサルティング部門 医業収入アップ シニアコンサルタント

明治大学卒業。

歯科医院を数多く顧問に持つ税理士法人2社に在籍後、株式会社歯科専門集患アウトソーシングに入社。

前職では歯科医院専門担当者として年間医業収入が2億円を超える歯科医院を数多く担当し、歯科医院が成長していく過程を熟知している。

得意分野はA.P.O.manager(経営数値管理ソフト)を使ったデータ分析。課題を把握して確実に成果を狙っていく。

この執筆者の記事